2021年3月17日水曜日

「チームⅢ」

週の真ん中水曜日は、小説の日。


せっかくなので初回はスポーツ小説、というかマラソンが題材。


「チーム」はスポーツ小説の名手、堂場さんの駅伝・マラソンのシリーズ。箱根の学連選抜やマラソン日本記録更新をテーマにしてきて、その主役だった天才ランナー・山城が、スランプに陥ったオリンピック候補の新星・日向のコーチに、という展開。


序盤はシリーズものらしく、田舎に引っ込んでしまった山城を引っ張り出すまでの話で、かつての仲間たちが出てくる。中盤以降は誰の言うことも聞かない山城がコーチをやったら、というそれだけで面白い。ラストの展開は本当に山城ならやりそうで、たぶんあり得ないんだけど、リアルにもあったら大興奮だなと。立教大学の監督をやりながら日本選手権に出る上野裕一郎監督は山城にいちばん近いかもしれない。


そんなランナー目線で読んでると、引退したのに毎日20km走っている山城の設定はギリギリありか、とか、日向が食事のカロリー計算をしているのに共感したり、日向に山城が課すメニューが本当にやれたら(やれないけど)強くなりそうとか、書き切れないほどある。


勝手にこの小説の主題だと思っている「マラソンをチームで勝つ」という点では、昨年の日本選手権で新谷選手を同じ積水所属の佐藤選手が2,000mまで引っ張ったことは記憶に新しい。ペーサーについての議論は大阪国際でもあって、まだ日本では「マラソンは一人で走るべきもの」という風潮は強いのかもしれない。その反面、世界ではキプチョゲ選手のBreaking2みたいなプロジェクトで盛り上がっているし、マラソンのチーム戦化も今後加速していく気がしている。


SFに書かれていたことのほとんどは実現している、という話もあるように、「チームⅢ」を再現してしまうチームが出てくる可能性は十分ある。小説はそういう面白さがある。


駅伝ばかりにドラマを載せがちな風潮の中、マラソンにもこういうエンタメの可能性があるんだと再認識した一冊。走る方も、走らない方も、ぜひご一読を!


本日のジムメニュー備忘録

・スクワット【50kg×2→40kg×2→ワイドで30kg×2】

・ふくらはぎのワークアウト【片脚ずつのジャンプ、つま先着地のジャンプ】

・すねのワークアウト【つま先を上げてマットの上で歩く2分×2】

・体幹【スライディングディスクで両脚→片脚ずつ→両脚】

明日は脚まわりの筋肉痛確定。

―――ということで、ほぼ走らないジムトレの水曜は小説のレビューとジムメニュー備忘の二本立てで。


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